冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
響さんはスピーカーを買いたいようで店員と話している。

その間に私はマッサージ機を見ていた。
本ばかり読んでいて肩が凝るんだよね、最近。
欲しいなぁ…。
でも高いなぁ。
小さいもので痛いところに当てて使うやつなら1万くらいで買えるみたい。

ふと、響さんも仕事で疲れてるだろうと思った。
温かくなる機能が付き、何パターンも揉む機能のあるものが3万である…
高いけど…プレゼントしたいなぁ。
私ばかりお世話になってしまって、今日も洋服をたくさん買ってもらっちゃって…
必要経費とは言ってくれるが明らかに普段用の物だ。
普段からきちんとしていて欲しいのかもしれないが、響さんは私に対して誠実な人だと思う。

契約妻なのに優しすぎる。

私はこっそり響さんへのプレゼントを買った。

「あれ?玲奈買い物したの?一緒に買ってあげたのに…。」

「大丈夫です。」

「ほら、荷物貸して。」  

「そんなに重くないから平気です。」

「女の子は荷物持たなくていいんだよ。ほら貸して!」

響さんは私の手から荷物をひょいっと取り上げて持ってくれた。
これから響さんにあげるものなのに持たせるなんて心苦しいけど…彼の好意を無下にしたくない。

「ありがとうございます。響さんは買ったんですか?」

「あぁ、でもちょっと大きいから配送にしてもらったよ。」

「そうなんですね!」

「玲奈は?何買ったの?」

「うーん…ま、いいものです。」

「ふーん。」

帰ってからのお楽しみ。
私は話を変えた。

「響さん、そろそろ荷物が多くなってきたし帰りませんか?」

「でも夕飯食べて行った方が良くないか?」

「さっき物産展で魚を買ったし、私が簡単でいいなら今日も作ります。昨日チキンだし今日はお魚でいいですよね?」

「でも…今日もまだ玲奈にお願いする日じゃないのに。歩いて疲れただろ?」

「いい運動になりました!お腹もまだ空いてないし、家で作ってちょうどいいです。でも手抜きですよ〜。」

「全然。家で食べられるならのんびりするしありがたいよ。」

「ですよね。じゃ、家でゆっくり食べましょ。でも…実は買いたいものがあって…さっき見かけた杏仁豆腐が諦められなくて…。私大好きなんです。やっぱり欲しいんですけど買ってもいいですか?」

「もちろん!早く言ってよ。さぁ、戻ろう!」

「ありがとうございます!!!」
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