冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~

旅行

久しぶりに響さんが土曜日に在宅している。

「なぁ、久しぶりに出かけない?」

「買い物ですか?」

「いや、もう秋だから温泉行きたくなってさ…どう?」

「私はいいです。響さん行ってきてください。」

「玲奈は嫌いなの?」

「いえ、そんなことないですけど…私たちそんな関係じゃないし。必要なことであれば同行しますがプライベートなら遠慮しておきます。」

「俺1人じゃ行きにくいよ。行こうよ。」

「うーん…。行きにくいですかね。」

「うん!俺の馴染みの旅館にして、妻ってことで行こう。」

「わざわざ馴染みのところじゃなければ妻はいらないですよね?」

「でも男1人で温泉は聞いたことないよ。」

「そうかなぁ…」

「俺と行くのはそんなに嫌?」

「そんなことないですけど、なんだか契約婚なのに一緒にいる時間が長いなぁって。プライベート不介入が緩んだけど…緩みすぎじゃ無いですか?」
 
「迷惑?」

「いえ…。私はただ、響さんの迷惑にならない様に過ごすことが勤めですから。私から迷惑と思うことはないです。」

「なら行こう。日頃の疲れを取りに。」

私はやや強引に響さんに連れられて箱根へ向かった。
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