冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
部屋へ戻ると夕飯の支度が始まった。

仲居さんがどんどんお料理を運んできてくれテーブルがいっぱいになった。

響さんには冷酒が、私には梅酒が用意されている。

2人で乾杯し一口飲むととても爽やかで飲みやすい。

料理も盛り付けからして凝っており、どれも手をつけるのがもったいないくらい。

響さんは躊躇うことなくどんどんと食べていく。

「玲奈、この小鉢美味しい。食べてみて。」

「本当ですねー。なんだろう。何が入るとこの味になるのかなぁ。」

「玲奈の作るご飯はいつも美味しいけどたまには玲奈も外で食べるのもいいだろ?」

「勉強になります!」

「いや、そうじゃなくてさ。楽してもいいんじゃない?ってこと。」

「楽してはダメです。契約なんですから。」

「玲奈、俺はギブアンドテイクだと言ったよ。お金を払ってあげたけどその分俺も助かってる。あまり契約は気にしないで1年間過ごして欲しいんだ。友達のように…。」

「響さんの優しさに甘えてばかりですね、私。」

「そんなことないよ。いつも家事をしてくれ、ご飯も作ってくれる。感謝してるよ。」

「ありがとうございます。これからも頑張ります。」

私達はちびちびと飲みながらまたいつものように他愛もない話をしていた。
そうこうしていると私は前日の翻訳に手間取り寝不足だったこともあって机の上に頭を乗せ、とうとう寝始めてしまった。

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