冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
気がつくと布団の中…。
またやっちゃった。
今日は響さんと同じ布団にはいない。
ただ、畳に敷かれた布団はピッタリ寄り添うようにひかれていた。
私はそっと自分の布団から抜け出し、冷蔵庫の中のミネラルウォーターを取り出した。

まだ5時。
いつも起きる時間に体内時計はセットされているようだ。
昨日早く寝たこともあり、もう二度寝は出来なさそう。

私はまた温泉に入ろうかと荷物を持ち大浴場へ向かった。

今日もお風呂には誰もおらず貸切状態。
嬉しいなぁ。
なんだかとっても贅沢だなぁ。

また来たいけど、ここ高いんだろうなぁ。
副社長ともなると簡単にこういうところに来れちゃうし、予約もとれちゃうんだなぁ。

私は色々な意味で感心した。

お風呂から上がり、今日もまた庭の鯉を見に行った。
小さな東屋があり、そこに座り少し涼むことにした。
朝からとても贅沢な時間…
非日常な時間を久しぶりに過ごせたことを感謝しなきゃ。

のんびり鯉を見ているとバタバタと足音が近づいてきた。

「玲奈!」

「はいはい、響さん。おはようございます。」

「いなくなるなよ!探しただろ。」

「へ?いなくならないですよ。お風呂に入ってきたんです。」

「なんで言わない?」

「響さんが寝てたからですけど…?」

「そうだけど…でも起こせよ。」

「5時なのに?」

「う…、そうだ!5時でも、だ。」

「次からはそうしますね。響さんも入ってきたらどうですか?朝風呂は気持ちいいですよ。」

「あ、あぁ…そうするか。」

「じゃ、私は部屋にいますね。」

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