冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
私たちはいつもの通り、話は尽きることなく結局6時になってしまった。

大変、夕飯作らないと…
スマホを見るが連絡が入ってないところを見ると遅くならないのだろう。

私はまた会おうと約束し、温泉のお土産を渡した。

「温泉行ったの?その話も聞きたかったのにーーー!」

「また今度ね!日持ちするけど早めに食べて。あとは金箔入りの石鹸だよ。」

「ありがとう!また仕事のことでも連絡するからね。またね!」

「うん、またね!」

私はフルーツサンド片手に慌てて新宿駅に向かった。

その時スマホが鳴った。

「玲奈?今新宿にいる?」

「え??はい。駅に向かうところです。」

「やっぱり。今、横を通り過ぎたんだ。ワンブロック先までまっすぐきて。乗ってきなよ。」

「え?仕事中ですよね?」

「もう終わるから大丈夫だよ。」

私は話しながら歩くとハザードランプのついた黒のセダンが止まっていた。
後部座席のドアが開き、響さんが降りてきて私を乗せてくれる。

「ありがとうございます。」

響さんは一度会社に資料を取りに寄りたいと言っている。

なら乗らなきゃよかった…
急げば夕飯作って待っていられたのに。

私は焦って駅で下ろしてくれるようお願いするが響さんは聞いてくれない。

「玲奈、一緒に会社に寄って、せっかくだから食べに行こう。」

運転手さんが聞いているからか、有無を言わさず夕飯に行くことが決定されてしまう。

私はお腹いっぱいなんだけどなぁ…。

もちろんそんなことは言えず、結局会社に到着してしまった。
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