冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
「さぁ、玲奈帰ろう。ラーメンに行こう。」

「そうですね…。米山さんも行きましょうよ。」

「「え?!」」

「米山さんも一緒に行きませんか?私あんまりお腹が空いてなくて少ししか食べられないので響さんに申し訳なくて…米山さんはお腹すいてますよね?もしよかったら隣で一緒にたくさん食べてあげてください。」

「玲奈、気にしなくていいんだよ。」
と言ったと同時に、
「行きます。」
と食い気味な声が聞こえてきた。

「よかった。どこにしましょうか。」

「私のおすすめがあるんです。歩いていけるのでどうでしょうか?隠れ家的ラーメン屋です。」

「美味しそうですね!ぜひ教えてください。」

私と米山さんが歩き始めると後ろから響さんが追いかけてきた。

「待ってよ!」

「「え?」」

「なんで2人で決めちゃうの?」

「ごめんなさい。勝手に決めて…。」

「いや、ダメではないんだ。」

「響、拗ねるな。」

黙り込む響さん。

「玲奈さん、行きましょう。豚骨醤油の細麺で最近のイチオシなんです。」

「うわぁ。豚骨醤油なんてすごく久しぶりです。なんだか食欲湧いてきたかもしれないです!」

さっきまでちょっと苦手に思ってた米山さんが一気に身近に感じられた。

「麺がまた手打ちで美味しいんです。俺は替玉を追加するくらい食べられますよ。」

「なんだか口の中がラーメンになってきました。楽しみです。」

2人は俺を置いてどんどんエレベーターに向かう。

「あ、響。取りに来た資料机の上だぞ。忘れんな!」

俺が副社長だぞ!
なんでお前が先にエレベーター乗ってんだよ。なんで俺が走って資料取りに戻ってるんだよ。
言いたいことは山ほどあるがこのままだとエレベーターを閉められそうな勢いだ。
慌てて部屋で資料の入った封筒を掴むと走って戻った。

「間に合ったな。」

「おい、俺が副社長だ。お前が取りに走れよ!」

「はぁ?!」

「いや…米山が行ってもよかったんじゃないかなぁと思ったりしてさ…。」

「はぁ??定時過ぎてるけど。もう一回言ってみ?」

こーわーいー。
米山さんのキャラ、どんどん変わってます。

「いや、ラーメン楽しみだなぁって。」

「そうだろ。教えたくなかったけど仕方ないな。俺が発掘したんだ。誰にも言うなよ。」
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