❤︎キミのことが好きすぎて、病んじゃいました❤︎【2】
「キミは何様なの?」

「な、何様というかっ……兄として、それはどうなんですかと言いたいだけです……!」

いくらあの菫くんのことだといい、人として、許せない。

「……へー。面白い子じゃん。僕が飼ってあげようか」

「は、はぁっ……!?」

ま、まったく、なにをいってるんだこの人はっ!?

「人を、飼うとかっ……あなた、人の心がないんですか!?」

「じゃあ人の心がないっていえばキミを飼ってもいい?」

「えっ……そ、そういうことじゃ、なくて……」

この人、話が本当に通じないっ……おかしいっ……狂って、るっ……?

「僕も菫も、兄さんも、みんな、母さんのせいで狂ってるよ。だから、人の心なんて元からない」

「……そんなっ……」

なんで、悲しい……の……?

あんなに怖い菫くんのことでも、可哀想で、心配で、助けて、あげたい……。

溢れ出る感情で心が埋もれる。

その時なにかが心の中で定まった気がした。

私は、



菫くんを、救いたい。



こんなことされようが、菫くんのことは、とっても大事で。

菫くんに離してもらうことはできなくても、優しい菫くんなら、私だって、受け入れることができるかもしれない。

「そんな悲しそうな顔したって所詮は他人事なんだよ」

「……他人事で、終わらせたく、ない、です……」

そう、だよね……みんながみんな、私のお母さんやお父さんみたいに、優しくて、大好きで、愛してくれる両親がいるわけじゃあない。

そう考えて、改めて両親に感謝の気持ちを思った。

「うん、でもんなこと思ったって、なんにも変わらないんだよ?」

「それは、そうですけど……きっと、なにかできることが、あります」

虐待は、止めたい。でも、こんな状況じゃすぐにはそんなことできないし、私の力じゃきっと敵わない。

だから、とにかくいまは、菫くんの、心の支えになってあげたい。

「苺」

「あっ……菫、くんっ……!」

気づいたら楓さんは消えていて、菫くんが目の前に立っていたを

「あ、あのっ……!」

「……なんで、逃げたの?」

「……!!」

菫くんの言葉に怯えながらも、私はふとしたことに気がついた。

……菫くんの、前髪の内に、青いアザが、ある……。

いま、殴られたの……?

「逃げたのは、ごめんなさい」

素直にそう謝ろう。

私がいまなにかしたって、脱走なんてできない。

それに、あんな可哀想なことを知って逃げるぐらい私は弱くない。

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