遅咲きの恋の花は深い愛に溺れる
パーティーもクライマックスを迎え、司会者も力が入る。

『お互いにサプライズで一言手紙を書いてきてもらいました』

わぁっと歓声が上がる。
サプライズというだけで聞いている側もドキドキしてくる。

『それではまず、新郎様から読み上げます。なぎさへ。いつもありがとう、これからもよろしくね。あと、わがままはほどほどに』

クスクスと笑いが起こる。和花もなぎさのわがまま具合を思い出して思わず笑ってしまった。

『それでは次は新婦様から。潤くんへ。海よりも深く空よりも高いあなたの広い心で、これからも私のわがままをきいてください』

新郎のはっとした顔、なぎさのしてやったりという顔に会場中が爆笑に包まれた。

和花もたまらずクスクスと声を出して笑う。そんな和花を見て秀人も自然と笑顔になっていた。ふいに二人顔を見合わせる。

「富田さんらしい」

「ほんとに、なぎささんらしいです。面白い。ふふふ」

そしてまた、二人クスクスと笑うのだった。

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