シンママ穂乃香の悩める再婚(26歳のwedding続編)

見切りをつける。

ノコノコと篤志が風呂から
帰って来た。

キチンと部屋は片付けられて
篤志もホッと出来る空間が
あった。

頭をタオルでフキフキ
グレーのスエットの上下を
着て篤志は

「あ━━━━ひでぇ目に
あったよ」
ニコニコしながら
穂乃香の出して来たビールを
一気にゴクゴクゴクゴク
🍺プファ美味い‼

しかし目の前の穂乃香の
突き刺さる目を見てブルッ
ヒェッ…

「あのミナミって子と
どういうカンケイ?」
火照った体にザ━━━━━ッ
と水をかけられたように
全身の血が引く

「は?他人の関係‼」
ここはキッパリ

「でも、アッチは付き合ってる
って言ってたわよ
私に邪魔しないで、だって‼
篤志もそう思ってるって‼」


「ん?ナイナイ‼
あいつの勘違い‼」


「あいつ?よばわり?

勘違いさせるような事
したでしょ
例えば二人きりでデパートで
ステーキ食べた?とか?」

「え?!」

「手を繋いで歩いた・・とか?」

(´๑_๑`)「エット‼」

「苗字じゃなくて名前で
呼び捨てして、俺のモノ
扱いとか!」


( ꒪Д꒪)ヤバ…


「彼女言ってたわよ
どうすんの!

あなたの携帯でわざわざ
私に電話して来たり
いい加減、マウントとるの
やめて欲しいし
今からヤリます的な写メ
送って来たり
ホント、ウザ」


「ご、ゴメン」


「で、彼女がなんで勘違い
したか分かる?」


「・・・💦アハハハハ
分かんねぇ?デス‼」


「スゥ━━━━━フウッ
篤志が思わせブリな態度を
とるからだよ

手を握られたら振り落とす!
名前は苗字でサンを付ける!
離れて歩く
これを実践する‼
食事は一緒に取らない!
とる場合は第三者をいれる。」


「そりゃまた、無理くね?

棚田部長が彼女を気に入ってて
仕事早いし気が利くし

俺は部長と何時も一緒だし
外回る時は必ず彼女一緒だし」

「じゃあ部長いるじゃん。」

「無理‼
部長和食しか食べないし
彼女は肉食だし
部長もそれ知ってるから
無理に相席したがらないんだよ。」


「じゃあ、篤志が部長と
食べたら?」

「だから・・それは
ミナミ1人での食事になるだろ
男として、どーなの?」


「お帰り下さい!」

「えっ?そうなるの?」

「うん。ニコニコ
篤志の気持ち、よく分かったから
もう必要無いワ
ウチには要らない
西川ミ"ナ"ミ"さんと
お幸せに🍀~~ぃ
ミナミと呼び捨て辞めないし
仕方なくね?」


「えっ?おイィおイ」
穂乃香はプンプン怒り
篤志を玄関へと追いやった!

「もう、来んな
ストレスにしかなんない!☆」


「なんだと‼
ただ、ちょっとの間
飯食うだけだろ‼
いいじゃんか‼」

穂乃香はぬいぐるみと、ケーキと
篤志の脱ぎ捨てたスーツの
入ったゴミ袋を篤志と
一緒に追い出した。

「忘れ物‼」
最後にコートをポイッ ⌒
篤志の頭にブツかけた!
突然の目くらましにオヨオヨする。



「じゃあ、お疲れバイバイ」

「は?」

仁王立ちの穂乃香は
「だ"か"ら"バイバイ
タクシー呼ぼうか‼」

ワナワナワナ震える拳を握り締め
篤志は
バ━━━━━━━━ンと
ドアを蹴って出て行った。

「フン」

穂乃香が踵を返した時
ポイッ⌒ =͟͟͞͞🎁&=͟͟͞͞🎂が飛んで来た。

穂乃香も負けず
忘れ物だ⌒ポイッ🎁&=͟͟͞͞🎂を
ドアを開け投げ付けた‼
ガチャガチャガチャガチャ
穂乃香は鍵をかけ
ドアチェーンをかけた。

ドアチェーンの隙間から
篤志の唇がめり込んで
「後悔、すんなよ
もう歳なんだから嫁の貰い手
きっと無いゾ‼

せーっかく嫁にしてやるって
言ってんのにさ
しかも志穂いるじゃん。
もらってやるのは俺くらいじゃん。
コブ付き穂乃香‼

に、比べて
ミナミは未だ24だし
初婚だし穂乃香とは若さが違うぞ

羨ましい~~~~ダロウ
穂乃香、おばちゃんアハハハハアハハ」


「クッソ、篤志覚えてろ‼
アンタは許さない‼
もう絶対来んなよ‼」

ガチャガチャガチャガチャと
お互い引っ張り合いながら
キッと睨む穂乃香と
ムカッと顔に出す篤志‼


篤志は、追い出されプンプン
怒りながら帰って行った。


「もう男はいいや
だいたい人を頼ったりするから
こうなる‼」

12月のイブの夜は静かに
更けていく!

サンタクロースも来なければ
クリスマスケーキも無い。

「初めての志穂のクリスマス
なのに、あんな酷い事言われて
ハァ-
まあ、篤志の本心は
そうだったって事だよね。」

穂乃香は窓から沢山の星を久しぶり
に眺めて又深い溜息を付いた。


篤志も同じ夜空を見上げ
「オバサンは言い過ぎた!
謝ろう。
押し出されて頭に来たんだよ」

上手く行きそうで行かない2人の
恋は前途多難
諦めたがいいのかも知れない。
と篤志は何時に無く弱気になる。


12月が忙しなく過ぎ
1月が駆け足ですぎて
2月がやって来た。

二人の中は相変わらず
連絡も無ければ
会いにも来ない。

今篤志はバレンタイン商戦で
忙しいんだろう。

もう穂乃香の事は気にしてなくて
新しい恋に夢中なんだろうか?
浮気の芽を摘み取るつもりで
あんな事を言った!

今の穂乃香には
クヨクヨ悩む暇は無かった。

穂乃香は3月に引っ越す、
ようやく家が決まり
志穂の保育園も運良く空きがあり
決まった。

穂乃香は長年勤めた銀行を辞める
事になった。

育休は5月までだったけど
お腹は第2子を授かり3ヶ月
マダマダ見かけは変わらないが
篤志の子を身ごもってしまった。
あんなに子作り頑張っていた
篤志の努力は報われた。

デモ

篤志に知られたくない。
ささやかな仕返し?も無いことは
ないが男は懲り懲り

浮気だの、帰りの遅いだの
口喧嘩など・・・

めっちゃ疲れるしめんどい

子供で、手一杯なのに彼の事など
構って居られない!
1人の方が神経をすり減らす
事は無い。

伯父さんには志穂を育てる
為、静かな場所に引っ越すと
言ってある。
妊娠は言えない。

ノンビリした住みやすい場所
贅沢しなければ大丈夫
親の残した預金も下りた保険金も
手付かずのまま

伯父さん夫婦が
穂乃香の為に色々後ろ盾に
なり助けてくれたお陰だ。

志穂の為にも、もう1人家族が
欲しかった。
だから妊娠は篤志の責任は無い。

穂乃香はしっかり者に変わった!
守るべき者が又出来たのだから
変わらないと!
大黒柱として、二人の子供を
育てあげる決心をした。

父親が居ないと言われたら
死んだと言おう。
父親の事を言い出さないように
しっかり愛情をかけて育てよう。

荷造りをしながら眠る志穂の
顔を眺める。
志穂と緩やかに流れる時間は
今だけなのかも知れない。

篤志そっくりの賑やかな
性格かも知れないお腹の
我が子を思いながらクスクス笑ってしまう。
篤志に似たらどうしょう
きっと毎日が忙しいんだろうな‼


篤志は毎日チェックする。
穂乃香の着信とライン、メール
あの時、オバサンは
言い過ぎた!反省しつつも
又突っ張られそうで
謝れ無い。


3月に入り、ひな祭りが終わり
ホワイトデーが終わると少しの
暇が出来た。


篤志の借りた倉庫には
志穂のために買った
12段飾りの雛人形がダンボールに
梱包されたまま入っている。
4月は又5月の節句がある為
又仕事は忙しくなる。



「幾多さん、又棚田部長が
お呼びてす。」

受付から連絡がはいる。

「ああ、はい、分かった‼️」
相変わらずの店舗回りは三人で

偶然穂乃香のマンション前を
通ると会いたくてたまらなかった。
穂乃香がベビーカーを押して歩くのが見えた。


マンション前には・・
引越しトラックが横付けされてた。

「引越しの時期だな!」
部長が呟く!
信号で止まってる間、俺は穂乃香を
見ていた、ベビーカーを
折りたたみ穂乃香がトラックに

乗り込んだ。

あっあ━━━あ💦
篤志は叫んだ
「おり、おりる」
篤志がジタバタしてる内に
引越しトラックは大きく回り
篤志とは別方向へと走り去った。

「幾多、今日は社長も見えるんだ
何処へ行く‼️」


「幾多さん帰って来て下さい!」
ミナミも車の窓を開け叫ぶが

「先に行ってて下さい」

篤志はそう言うと穂乃香の
マンションへと走った。

エレベーターを上がり穂乃香の
部屋の前まで行くと水色の袋が
かけてあり、鍵を使って開けると
こんなに広かったのかと
思う程部屋はガラ━━━━ンと
していた。

部屋がグルリと回る
穂乃香と志穂の笑い声が聞こえ
てくる。

ペタン
篤志はその場に座りこんだ。


あの時、ちゃんと言えばよかった
のか・・・
篤志がフラフラと部屋を出ようと
した時
玄関の入口にレシートが落ちて
いた。

それは某赤ちゃん専門店の店名で
紙オムツの新生児用?
それも大量

そう穂乃香は赤ちゃんの必要品を
買い揃え始めていた。
少しづつ買わないと
志穂の面倒も見なくては行けない。
赤ちゃんが生まれてからバタバタ
したくない。
どんなに大変か志穂でよく分かって
しまった。

篤志はレシートを拾い上げ
「新生児用?紙オムツ?」
何度見てもそう書いてある。
志穂はもう早めの
トイレトレーニングを始めて
いたはず?

「・・・まさか」
篤志はその足で穂乃香の
伯母さんの所へ向かった。

広い門構えがあり
中々の高級住宅、
石畳を歩くと穂乃香の伯母さんは
草取りをしていた。

深い帽子をかぶって
ゴミ袋にはたくさんの草が
押し込められていた。

「あの、突然すみません
穂乃香が引越したみたいですが
何処に行ったか知りませんか?」


後ろから声をかけたから
おばさんの肩がビクッと動いた。

「あら、まぁ幾多くん。
ビックリしちゃった
お仕事は?」

「面目ありませんが・・」
篤志は今までの事を話した。
穂乃香と喧嘩してる事
篤志に黙って引っ越ししてる事

「う~ん?
そうねえ引越し場所はまだ
聞いていないのよ!
今はそっとしてあげましょ
今は仲直り出来ないわよ
なんせ引越し迄決心したんだから
余っ程頭に来たんじゃない!
ホホホ穂乃香がそれだけ真剣
だったってことね。
穂乃香は軽い子じゃ無いから
待ってあげて。」

「・・・分かりました
穂乃香から連絡ありましたら
教えて下さい」

しょんぼりと可哀想なくらい
落ち込んだ篤志に同情しそうに
なる。

「穂乃香も頑固だもんね。」
去りゆく背中にポッンとつぶやいた。

篤志が棚田部長とミナミと合流
した時は会議も終わっていた。

幾多が居ないと確認した社長は
幾多を責めなかったらしい。
しか し大事な会議をスッポ抜かした
事は本社で噂になり
降格と誰もが思っていたが
別に罰則も無く何も起きなかった。

社長は幾多をそれ程信用してる、
いやいや社長に幾多が連絡していた?
そんな馬鹿な社長との接点がナイ

ヤッパ社長と親戚か?
娘の婿候補か?

社長に娘はいないはず?
ありとあらゆる噂が飛んだが
社長と親戚の噂が有効になった。

誰が考えた噂なのか
篤志はそれ所じゃない

穂乃香の妊娠疑惑、そう
子作りにあんなに励んだんだ
出来たとしても不思議じゃない‼
噂なんて噂に過ぎない!

しかし穂乃香が居なくなった現実は
篤志に重くのしかかって
いた。


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