シンママ穂乃香の悩める再婚(26歳のwedding続編)

実家の頑固じいさん。

篤志は首根っこを捕まれるように
母朋美と篤一に新幹線にぶち込まれた。
義姉と兄が慌てて畑に行き
出荷まじかのスイカ、ナス、トマト
キュウリなどの夏野菜を箱に
詰め込み手土産を持たせてくれた。
3人で手分けして
持って。

ドタバタの嫁取り劇が開幕した。

穂乃香の伯父勝己の家まで
行くと父親篤一が叫んだ

「ほう━立派な豪邸だのぉー
こんな所のお嬢さんを手掛ける
とは、ワシなら許さんぞ!

篤志、覚悟しとけ
しかしお前だけの責任じゃない!

わしらもそういう風に育てた
親の責任もある。
なんと罵られようと
蹴り倒されようと
頭を上げてはならんぞ‼
覚悟してくれ
ワシらも腹の中の孫に会いたい

ワシも張り倒される覚悟じゃ
母さんいいな!
許して貰うまで座り込む覚悟
で行くからな!」



「はい。
初孫ですもの、聞いただけで
可愛いですよ。」

「😭ありがとう、父さん母さん。」

呼び鈴を押すと両親は
ガバッ
戸が開けられる前に土下座謝罪
篤志は変わらぬ両親の態度に
ビックリ

昔未だ小学生の頃
学校帰りに友達と歩いていた。

「篤志、腹減った。」

「我慢しろ家まで行けばなんか
ある。」
篤志は友人涼太を諭しながら歩く
部活の帰り四年生は球拾いの上に
先輩にきたわれクタクタ
歩くのもやっと‼
この学校では四年生から入部が
認められ篤志は友人達と野球部に
入部していた。

ふと見上げると丸々、まん丸い
柿の実がブランと しなっていた。

「オッ。うまそう」
手を伸ばしたが届かない。
「篤志どけ‼」
友人の涼太は小石を握り柿目掛けて
投げつける。

「下手くそ、どけ‼」
今度は篤志が投げつける
中々落ちない柿にそこら辺の
小石をバンバン投げる。

いくら田舎とは言え敷地内の
柿の木、庭には鶏が放し飼い
犬がワンワン泣き始め
ニワトリ🐓も
一羽2羽じゃない!
沢山放し飼いしてある。
コッコッコケ━━━━
コケッ━━━━━~コッコォオオオォ
鶏も走りながら大騒ぎ
ニワトリに石が当りもう
大変な騒ぎに🐮も鳴き出す。
🐂🐄モオ━━━━━━━フッブアフッ鼻息も荒くなり興奮気味
モオ━━━━"━"━モォ━━━ン

🐔グエグエゲコゲコォ━━━━━オ
🐕ワンワンワンワンワンワン

「ゴラァ何処のガキだ━━━━‼」
ウワッやべ〜逃げろ=3=3=3

しかし体は走れない程
クタクタ

2人は速攻捕まり学校へUターン
先生に絞られ親も呼び出し
連れ立って父親と母親は土下座
俺も頭を押さえつけられ
土下座

「許して貰うまで頭を上げるな!」
父親にガツンガツンぶっ叩かれた
後、菓子折り下げて謝った。
そんな事が度々あり
悪ガキだった篤志に親は頭を
いためていた。

水泳の時間友達の水着をプール
の中でふざけて脱がせたて喜んだり
悪くて悪くて悪ガキで・・

しかしイジメを見たら許さない
喧嘩三昧のひび
頼りになるガキ大将と名を馳せ
かなりモテた。

そんな昔を思い出すのは両親も
同じだった。



「は~い」
のんびりした穂乃香の伯母、紫乃の
声がする。

ガラガラガラ━━━━‼
‼(•'╻'• ۶)۶あ、ああ、あれ?
「幾多くん?」
土下座する篤志を見てビックリ行天

すると篤一が紫乃の言葉を遮る様に
地べたに頭を擦り付けて

「この度は、オタクのお嬢様に


なんと言ってお詫び申し上げたら
良いのか!
本当に申し訳ありません。」


「えっと、なんの事です?」
篤一は篤志の頭を押さえつけ
「このバカ息子が・・
お嬢様を好きになりまして
その~
あのぉ~
言い難いのですがて、て、
手をだ・・💦」


「はぁ、て?」

すると玄関に黒塗りのピカピカな
車がス━━━━""""っと入って来て
止まった。

3人が振り向くと
白髪の上品な紳士、穂乃香の伯父
愛羅勝己が車からおりてきて・・
なんや分からぬ光景に立ち止まる

「どうした紫乃?
その方達は?何?」

「あれ?幾多くん?」
勝己は篤志の痛そうな顔を見て
!!ギョッ

篤志の両親は紫乃から勝己に向きを
変えて又土下座

「うちの愚息が本当に申し訳
ありません。」

勝己は篤志に近寄り
「うわぁー幾多君何を
やらかしたか?手当しないと」
勝己は篤志を見て呟いた。

篤志の両親は頭を上げない!

「えっと、お話も出来ません
私は彼を気にいって💦いまして
一体どうしたんです?」

紫乃の方を見て勝己はシドロモドロ



「なるほど穂乃香も呼びなさい。」
そう言った。


3人はリビングに案内されて
やはりそれでも土下座

するとパタパタパタパタと
可愛い足音がした。

志穂は篤志を見ると飛びついた

「パパァ━━━」

「志穂」
篤志も志穂を抱きしめた!

「イタイ、イタイフーフー」
志穂は篤志の顔をなでなでサラサラ
の髪が篤志の顔をくすぐる。

「志穂がフーフーしたから
痛くなくなったよ。
ありがとう志穂」
志穂はまだ心配そうに篤志を
覗き込んだ。


「おばさーん、こんにちはー」

穏やかな穂乃香の声に両親は
またまた穂乃香に土下座


伯父勝己と紫乃は穂乃香の腹を見て
‎( ⊙⊙)!!Σ(ŎдŎ

納得した。

気まづいのは篤志の両親だけじゃ無い
伯父伯母に妊娠を隠していた
穂乃香も同じ

篤志の両親の許しをもらって
報告するつもりだったが
急に呼ばれた穂乃香も叱られる
事を覚悟して出向いて来た。

「あ・・💦れ?篤志早くない?」
そりゃあそうだ朝飛行機で実家に
帰った篤志が伯父の家に
スタンバイ?

「あ、あの、どなたですか?」
穂乃香は篤志の両親の土下座を見て

「え、えっとまさか?」
突然の篤志の両親の訪問に
タジタジ

篤一と妻朋美は
「この度は穂乃香さん、本当に
申し訳無いことをしました。
篤志の父親篤一です
コッチが妻の朋美です。

こんな事を言える義理で無いことは承知しています!」

頑固親父と聞いていた通り
顔には頑固そうな深いシワがある
篤志の父親は細身で何となく
篤志に似ている


「穂乃香さん本当にすみません」
顔を上げて穂乃香を見る篤志の
母親はふっくらとした顔付きで
優しそうな人だった。

篤志の両親に謝られ
そのセリフを聞いたとき篤志と
別れてくれと言われると穂乃香は
思っていた。

とうとうこの時が来たと穂乃香は
覚悟した。


穂乃香の丸いお腹を見て
篤一も朋美も嬉しくなった。


「まあ、な、何ヵ月です!」

「え・・と8ヶ月に入りました。」

「まあっ」
嬉しい弾んだ声は朋美と紫乃だった。

「本当に。馬鹿な息子ですが
穂乃香さんの事を好いております
どーぞどーぞウチの息子の
嫁に下さいませんか‼

親バカだと笑ってもらって
結構です。
篤志の嫁に来て貰えませんか‼️」
二人は又ガバッと土下座をした。



伯父は渋い顔をして
「・・・上の娘志穂は篤志くんの
娘ではありません。

ご存知ですか?
私も篤志くんは信頼出来る
男と思っています!
穂乃香を預けるには彼しか
いないように思えています。

志穂も孫と思って頂けますか?
それだけが心配なのです。
篤志君の気持ちは固まっているの
ですが御両親とは初対面で
本当のお気持ちを
お聞かせ願いたい!」



二人は志穂を見つめていると
志穂はその場の雰囲気を感じて
いたのかもしれない。
志穂はトコトコと歩いて篤志の
匂いと同じなのか
篤一の膝の上に座った

子供大好きな篤一もなんだか
可愛くなり志穂を目を細めて見ながら
「勿論です。
ワシらの初孫です。」

そう呟いた。
勝己も紫乃も顔を見合わせてホッと
した表情を見せた。

「姪っ子をよろしくお願い
致します」

と勝己と紫乃は頭を下げた。


穂乃香は腰が抜けたように
ヘナヘナと座った。

そして勝己は穂乃香に両親が居ない事、自分たちが親代わりな事を
話した。

篤志の両親は涙ながらに聞き
情の熱い篤一は
「なんも心配いらん
わしらも、穂乃香さんの親じゃ」
そう言ってくれた。

穂乃香には実親、育ての親、義両親
3組の親が出来た。
夫々の親に愛されて幸せを感じていた。


「さあさ!
お義父さんのお土産のスイカ冷えて
いるわよ!切りましょうね。」
🍉' 🍉
紫乃はスイカをスパーンスパーン
切ったスイカの独特の香りが
部屋中に広がりテーブルに並べられた赤いスイカに志穂は飛び付く


「うわぁスイカホントの産地直送」
穂乃香は嬉しくなった。

「農作業のお手伝い
私も頑張りますね!
こんな立派なスイカどうやって
つくるんです?」
赤く甘ーい西瓜をパク付きながら
篤一に質問が飛び交う!
皆農作業にはド素人だから興味津々

穂乃香はキラキラと目をかがやかせた。

皆初めての農作業の様子や村の話
など沢山知らない事を聞かされ
穂乃香は早く篤一の畑が見たくて
堪らない!
しかしこのお腹では中々篤志の実家には行けそうに無かった。


篤一と朋美はせっかく東京に
来たから観光を1日だけ2人で
回った。
篤志も穂乃香も案内すると言ったが
目と口と耳を持っているから
大丈夫と言って出かけて行った。

なんせ飛び出す様に出てきたから
農作業が気になって仕方ない
兄夫婦がいるから気にする事は
無いはずだが、意味分からないこだわりが親父にはあるようだ。

田舎へのお土産は配送して
もらったらしく2人は久しぶりの
デートを楽しんだ。

志穂には縫いぐるみの長いうさぎ
とケーキをホールで買ってきた。
楽しく過ぎる時間はアッという間

次の日篤一と朋美は✈️で
名残惜しそうに帰って行った。

慌ただしい両親
だけど暖かい両親
篤志も穂乃香も親の有り難みを
ひしひしと感じていた。



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