このまま惚けて、それから
「ホントに好きなんだ、遊佐さんのこと」
真剣な眼差しと真っ直ぐな告白に、不覚にもドキッとした。
驚くほど綺麗な顔をしている。3秒以上目を合わせたらもれなく全員惚れてしまいそうだ。
私は玄野 青から告白をされている。
才色兼備の完璧王子が、私のことを好きだと言っている。
純粋にそれだけだったら、今は好きな人も彼氏も居ないし……と悩むことが出来たかもしれない。
返事は決まっている、というかむしろそれ以外の選択肢はない。
けれど、彼は本物のストーカーだ。今この段階で、奴と付き合うことがどれだけ危険なことであるかは十分分かった。
そんな相手を振ったら────私、命は助かる?
棺桶はダブルでだの一緒の墓に埋まろうだの、まともな告白は受けていない。
家バレしているから、下手なことを言って家族を巻き込む形にはしたくないし、高校生活だってもっともっと楽しみたい。
なるべく穏便に、平和に。
玄野 青には潔く私を諦めて欲しい、わけなんだけど。