このまま惚けて、それから
嵐のようだった。
え、と顔を上げた時にはもう花ちゃんはそこにはおらず、いつもより少しばかし申し訳なさそうに眉を下げる青だけが居た。
「未羽、俺の家帰ろ」
「いや自宅に帰りますけど」
「やだよ、帰さない」
「なんでだよ帰せよ」
「だって未羽、俺に愛してもらいたそうな顔してる」
なにそれ。どんな顔だっつうの。
自意識過剰だし頭おかしいし絶対ついていきたくなんかないのに。
なのに、なのに、
「……、青のバカ」
「え?好き?」
「……」
「あれ、否定しないの?待てそれはかわいいな困る」
そんな青が好きなんだもん、困るよ私も。