このまま惚けて、それから
「あ、気付いてくれた。玄野くーん!」
げえぇ最悪。
「あ、また会ったね。偶然」などと嘘を並べる青に心の中で舌打ちをする。
偶然も重なりすぎたら運命もクソもないんだよばぁか。
気付いてくれたというよりは気付くように仕向けられたのだ。
向日葵は気付いたらすぐ手を振るから、一度でも目を合わせれば声をかけてもらえる。私と向日葵は、青の計算にまんまと乗せられているだけ。
そんなことしなくたってほぼ毎日家であってるんだからいいじゃん、と思うけど、青曰く「付き合ってることがバレるかバレないかのギリギリを攻めたい」と言われた。
ただ楽しんでいるだけだと思う。クソだな。