このまま惚けて、それから
「伊藤さんストーカーされてるんだ。気持ち悪い奴もいるもんだねー」
「うんうん青、それすごい地雷だけど大丈夫そ?」
「え。未羽、俺のことストーカーだと思ってるの?心の婚約届はとっくの昔に提出したのに?」
「青の場合はストーカーから彼氏に昇格したんじゃなくて ストーカーと彼氏を兼用してるだけでしょ。ていうか言ってないだけだけどあんたが私の鞄に今もGPSと盗聴器忍ばせてんの知ってんだからね」
「なるほど、愛か」
「ちげーよ」
こいつホントなんでこんなに脳天気なの。
ビックリなんですけど。
日本語通じないのは今に始まったことでは無いけれど、それにしても日に日に会話が成り立たなくなっているような気もする。
「そういえば最近他校に悪質なストーカーいるって噂聞いたことある」
「ストーカーには他校のストーカーの噂が流れてくるの?怖すぎない?」
「いやいや未羽。俺は良質なストーカー……じゃなかった、最高に完璧な彼氏だよ」
「ストーカーに良質も悪質もねえんだよ」