全ては、お前の為

｢おめでとう！雨音～｣
｢ありがとう！楓夏！｣
抱き合う二人。
職場に着いてすぐ、楓夏に知らせたのだ。

｢よかったね～！ほんとに、よかったね！｣
楓夏が目をうるうるさせて言う。
｢うん、それでここの証人のところに署名してくれる？｣
｢もちろん！嬉しい～｣
｢フフ…楓夏の方が喜んでる｣
｢当たり前だよ～！あ、露鬼に連絡していい？｣
｢うん｣
楓夏は嬉しそうに露鬼に電話をかけ、少々興奮気味に話していた。

｢━━━━━そうなの～！うん！……あ、そうだね！
雨音に話すね！じゃあね～！
フフ…私も、大好きだよ！｣
その姿を微笑みながら見る雨音。

｢ねぇ、雨音！
お祝いのパーティーしない？｣
｢え？｣
｢露鬼、ずっと雨音に会いたがってたんだ～。
会わせたいし、私も紅零くんに会ってみたいから！｣
｢うん、嬉しいけど……どこで？｣
｢それはね━━━━━━｣

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
｢よかったね～楓ちゃんも嬉しそう！
あ、お祝いのパーティーしようよ！僕が全部用意するから。…………うん、よろしくね！
大好きだよ！楓ちゃん！｣
その頃の、紅零は露鬼の事務所に来ていた。

｢よかったね！紅零くん｣
｢うん、露鬼もありがとな！｣
｢さっき聞いてたと思うけど、みんなで食事がてらお祝いパーティーしようよ！マンションのバーを貸しきって！｣
｢あー家の上の？｣
｢そう。どうせ雨音ちゃん、引っ越しもしなきゃでしょ？引っ越しもみんなで手伝って、そのままお祝いパーティーしよ？｣