全ては、お前の為
「うん、もちろん。
あとさ、スマホ破棄すっから今後はもう一つの方にかけて」
「あ、あの女性ね。あの人も災難だね。紅零くんと関わったばかりに……」
「お互い様だろ。いい思い、いっぱいしたんだから。
まぁ…旦那の方もクズだけどな……
………って、俺もか…」
「大丈夫だよ。雨音ちゃんは紅零くんが生きる証だから。ちゃんと受け止めてくれるよ。
その為にこの五年、必死に頑張ってきたでしょ?」
「会ったの?雨音に」
途端に鋭い視線を露鬼に向ける、紅零。
「まさか!楓ちゃんがだよ。
僕は紅零くんの怒りを買うようなことはしないよ。
紅零くんが会うのを我慢してるのに、会うなんてこと……」
「だよな」
紅零と露鬼が初めて出会ったのは、紅零が15歳の時。
雨音が家を出ていってすぐに紅零は、当時最大勢力を誇っていた暴走族の所に所属する為、向かったのだ。
その時に総長だったのが、露鬼だ。
露鬼に向かって一番最初に言った言葉を、露鬼は今でもはっきり覚えている。
【俺はこれから五年で、一番最強の男になりたい。
俺を最強の男にしてくれ!
その為なら、何でもしてやる!】
その時の力強い言葉と、紅零の迷いのない真っ直ぐな思い、そして……どこか闇を感じさせる目に露鬼は、期待と不安を覚えた。
あぁ…彼は、敵に回してはいけない。
でも、仲間にすればこれ程ない力になる━━━━と。
「フフ…いいよ。
じゃあ、まずはこの僕にタイマンで勝つことだね」
それから約一年かけて、紅零は露鬼にタイマンに勝つことができ、弱冠16歳で総長になったのだ。
そしてその日から紅零は、残酷な行為を数々こなすようになる。
全ては、愛する雨音を守る為に。
雨音と二人で幸せに生きていく為に。
あとさ、スマホ破棄すっから今後はもう一つの方にかけて」
「あ、あの女性ね。あの人も災難だね。紅零くんと関わったばかりに……」
「お互い様だろ。いい思い、いっぱいしたんだから。
まぁ…旦那の方もクズだけどな……
………って、俺もか…」
「大丈夫だよ。雨音ちゃんは紅零くんが生きる証だから。ちゃんと受け止めてくれるよ。
その為にこの五年、必死に頑張ってきたでしょ?」
「会ったの?雨音に」
途端に鋭い視線を露鬼に向ける、紅零。
「まさか!楓ちゃんがだよ。
僕は紅零くんの怒りを買うようなことはしないよ。
紅零くんが会うのを我慢してるのに、会うなんてこと……」
「だよな」
紅零と露鬼が初めて出会ったのは、紅零が15歳の時。
雨音が家を出ていってすぐに紅零は、当時最大勢力を誇っていた暴走族の所に所属する為、向かったのだ。
その時に総長だったのが、露鬼だ。
露鬼に向かって一番最初に言った言葉を、露鬼は今でもはっきり覚えている。
【俺はこれから五年で、一番最強の男になりたい。
俺を最強の男にしてくれ!
その為なら、何でもしてやる!】
その時の力強い言葉と、紅零の迷いのない真っ直ぐな思い、そして……どこか闇を感じさせる目に露鬼は、期待と不安を覚えた。
あぁ…彼は、敵に回してはいけない。
でも、仲間にすればこれ程ない力になる━━━━と。
「フフ…いいよ。
じゃあ、まずはこの僕にタイマンで勝つことだね」
それから約一年かけて、紅零は露鬼にタイマンに勝つことができ、弱冠16歳で総長になったのだ。
そしてその日から紅零は、残酷な行為を数々こなすようになる。
全ては、愛する雨音を守る為に。
雨音と二人で幸せに生きていく為に。