堅物女騎士はオネエな魔術師団長の専属騎士になりました。
一方のマリアベルは、意味が分からず混乱していた。
それもそのはず。一目会うなりいきなり意味の分からないことを言われ怒りをあらわにしているのだ。混乱しないほうがおかしいだろう。
だが、このままでは埒が明かない。
マリアベルは意を決して口を開いた。
「……ええと、あの」
「許せないわ、アタシのドキドキを返してほしいわよっ、ったく」
「あの……」
「なにっ!?」
「貴方様が、その、師団長でおられますか……?」
おそるおそる聞く。
一体何に怒りを表しているのか分からないが、その様はとても恐ろしい。
マリアベルの訪ねに、男(らしき者)は視線を合わせると、ピンと背筋を張った。
「ええ、そうよ。アタシがエレノア王国魔術師団師団長ジークウェルト・アルシュタイン。こう見えても心は乙女なの。ええ、だれがなんと言おうとオ・ト・メ!」
堂々と言い放つ。
マリアベルは口をぱかっと半開きにして、固まった。
騎士たる者、常に冷静であれ。そんな言葉は今はどこへやら。
これが驚かずにはいられるだろうか。
男なのに乙女。つまりは師団長は女性であるということか。
いやしかし風貌はどう見ても男だ。見目美しい男性だ。
なんだこれは、いったいどうなっているのだ。結局どっちなのだ!!!!
マリアベルは混乱している!!
「マリアベル、と言ったかしら?」
「……」
「ちょっと?どうしたの?」
ジークウェルトは、固まるマリアベルの顔の前でおーいと声をかけながらパタパタと手を振る。
まるで陶磁のようなつるりとした綺麗な手だ、とマリアベルはぼんやりとした意識の中で思った。
だが瞬間ハッと我に返って、マリアベルは半開きになった口をきゅっと結び、崩れた姿勢を正した。
「はっ、い、いかにも。私がマリアベルであります!」
「ふうん、そう。で、誰に命令されてきたの?」
「はっ!直属の上司である第二騎士団長レオンハルト任命されましたっ!」
「チッ!!やっぱりあのオトコだったのね!」
(し、舌打ち……。)
それもそのはず。一目会うなりいきなり意味の分からないことを言われ怒りをあらわにしているのだ。混乱しないほうがおかしいだろう。
だが、このままでは埒が明かない。
マリアベルは意を決して口を開いた。
「……ええと、あの」
「許せないわ、アタシのドキドキを返してほしいわよっ、ったく」
「あの……」
「なにっ!?」
「貴方様が、その、師団長でおられますか……?」
おそるおそる聞く。
一体何に怒りを表しているのか分からないが、その様はとても恐ろしい。
マリアベルの訪ねに、男(らしき者)は視線を合わせると、ピンと背筋を張った。
「ええ、そうよ。アタシがエレノア王国魔術師団師団長ジークウェルト・アルシュタイン。こう見えても心は乙女なの。ええ、だれがなんと言おうとオ・ト・メ!」
堂々と言い放つ。
マリアベルは口をぱかっと半開きにして、固まった。
騎士たる者、常に冷静であれ。そんな言葉は今はどこへやら。
これが驚かずにはいられるだろうか。
男なのに乙女。つまりは師団長は女性であるということか。
いやしかし風貌はどう見ても男だ。見目美しい男性だ。
なんだこれは、いったいどうなっているのだ。結局どっちなのだ!!!!
マリアベルは混乱している!!
「マリアベル、と言ったかしら?」
「……」
「ちょっと?どうしたの?」
ジークウェルトは、固まるマリアベルの顔の前でおーいと声をかけながらパタパタと手を振る。
まるで陶磁のようなつるりとした綺麗な手だ、とマリアベルはぼんやりとした意識の中で思った。
だが瞬間ハッと我に返って、マリアベルは半開きになった口をきゅっと結び、崩れた姿勢を正した。
「はっ、い、いかにも。私がマリアベルであります!」
「ふうん、そう。で、誰に命令されてきたの?」
「はっ!直属の上司である第二騎士団長レオンハルト任命されましたっ!」
「チッ!!やっぱりあのオトコだったのね!」
(し、舌打ち……。)