同居人の一輝くんは、ちょっぴり不器用でちょっぴり危険⁉



 あ。

 よく見ると。

 今、玄関のドアのところに立っている男の子。
 その子は、やっぱり一輝くんだ。

 雰囲気が全然違う。
 だから、わからなかった。
 だけど顔は一輝くんの顔だ。

 今の一輝くんは。
 雰囲気が別人に見える。

 おとなしくて。
 いつも彩月の後ろに隠れていた男の子。

 その子が、まさか。
 イマドキ男子になっているなんてっ‼



 一輝くんと最後に会った。
 それは私と彩月が高校生になる春休みのとき。
 私と彩月が高校の近くのマンションに引っ越しをする日のこと。

 私の家族と彩月の家族が見送りに来てくれた。
 そのときに一輝くんもいた。

 そのときは、私が知っている一輝くんだった。


 会っていなかった二年間。
 その間に何があったのか、一輝くんに。

 一輝くんのイメージ。
 それが、あまりにも変わり過ぎている。
 だから私の頭の中がついていかなかった。



「……結菜ちゃん……?」


 あっ‼

 しまった‼


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