同居人の一輝くんは、ちょっぴり不器用でちょっぴり危険⁉
いつまでも、ぼーっと突っ立っていたら一輝くんに悪い。
「ごめんね、一輝くん。
なんか急に大人っぽくなったから。
ちょっとびっくりしちゃって」
とにかく部屋の中に入ってもらおう。
「さっ、中に入って。
今日から、ここは一輝くんの部屋でもあるんだから」
まだ動揺が残っている。
「……じゃあ……
えっと……おじゃまします」
少し遠慮気味の一輝くん。
「『おじゃまします』じゃなくて
『ただいま』だよ、一輝くん」
「あっ、
そうだね、ただいま」
悲しそうな表情(かお)をしていた一輝くんが少しだけ笑顔になった。
一輝くんが笑顔になることができてよかった。
そんな一輝くんのことを見てほっとした。
「おかえり、一輝くん。
今日からよろしくね」
一輝くんにつられるように私も笑顔になった。
「こちらこそよろしくね、結菜ちゃん」
一輝くんがより笑顔になった。
その笑顔は、とても美しく輝いていて。
眩しいくらいだった。