同居人の一輝くんは、ちょっぴり不器用でちょっぴり危険⁉
だけど。
なんでだろう。
なんか。
彩月の言葉。
それを聞いて。
……ショック……を受けている?
だけど。
それは仕方がないこと。
私と一輝くんは。
恋人同士ではない。
それは事実なのだから。
「結菜?」
彩月に声をかけられ。
我に返った。
入っていた、また。
いつの間にか自分の世界に。
「どうしたの?
なんか、ぼーっとしてるみたいだけど」
彩月はそう言ってのぞき込む、私の顔を。
「ううん、なんでもないよ」
一瞬でも思った、ショックだと。
そのことに気付かれないように平静を装う。
「本当に?
大丈夫?」
なんでもない。
なんとか振る舞っている、そのように。
それでも心配してくれている。
そんな彩月は、やっぱり優しい。
「うん、大丈夫。
ありがとう、彩月」
彩月の優しさ。
その優しさには感謝している。
そう思っていると。
自然に笑顔になる。
「そう?
大丈夫ならいいんだけど……」
私の様子を見た彩月は安心しているように見える。
彩月。
ありがとう、心配してくれて。