同居人の一輝くんは、ちょっぴり不器用でちょっぴり危険⁉
* * *
私と一輝くんと彩月と夏川さん。
お茶をして、その帰り道。
一輝くんと並んで歩いている私は。
横目でチラッと一輝くんの方を見た。
そのとき、こんなことを思っていた。
彩月と夏川さんも一緒にカフェでお茶をした。
そのときのこと。
彩月と夏川さん。
二人は恋人同士。
それだから当たり前なのだけど。
とても仲睦まじかった。
正直なところ。
彩月と夏川さん。
二人のことを羨ましい。
そう感じた。
なぜか。
それはわからない。
夏川さんは。
私と一輝くんのことを恋人同士だと思った。
だけど、実際は恋人同士ではない。
確かに一輝くんからは想いを打ち明けられたけれど。
まだ。
しない、はっきりと。
気持ちが。
はっきりとしない?
本当にそうなのだろうか。
どう思っているのだろう。
一輝くんのこと。
一輝くんに対する気持ちの答え。
それは出ないままだった。