騎士のすれ違い求婚
✴︎✴︎✴︎
初めは、城にいる騎士のジュノ様と近くなると密かに喜んでいたティアだった。
しかし、
初日にそれは粉々に砕け散った。
ティアが仕える第二王女は、輝く金の髪を持つ無邪気な美しい姫だった。
「あなたが、ティア? 」
と歌うように言ってから、いきなり、
「妹なのよね」
と柔らかそうに、しかし断言する。
「はい? 」
ティアは兄の話でもされたのかと思った。
横で女官長があわてて、
「姫さま! よくお話はお聞きください! ティア様は公爵の御息女、ジュシアノール様のお友達の妹⋯⋯ 」
(! )
なぜ、急にジュノ様の名が出るのか⋯⋯ 。
「あーもー、同じじゃない!
妹みたいってことね! 」
「⋯⋯ 」
胸がザワリと音を立てて嫌な気持ちになった。不安な、不快な。
「ふふ。
ジュシアノールがね、わざわざ、よろしくとわたくしに頼まれたの。
彼はわたくしに会いに来られるのよ。
ふふ、
わたくしに、わざわざよ。
妹を頼みますって」
妹?
違う、とティアは思う。
どう言う事?
ジュノ様が、姫さまと話したかったと、
それはどう言う事?
初めは、城にいる騎士のジュノ様と近くなると密かに喜んでいたティアだった。
しかし、
初日にそれは粉々に砕け散った。
ティアが仕える第二王女は、輝く金の髪を持つ無邪気な美しい姫だった。
「あなたが、ティア? 」
と歌うように言ってから、いきなり、
「妹なのよね」
と柔らかそうに、しかし断言する。
「はい? 」
ティアは兄の話でもされたのかと思った。
横で女官長があわてて、
「姫さま! よくお話はお聞きください! ティア様は公爵の御息女、ジュシアノール様のお友達の妹⋯⋯ 」
(! )
なぜ、急にジュノ様の名が出るのか⋯⋯ 。
「あーもー、同じじゃない!
妹みたいってことね! 」
「⋯⋯ 」
胸がザワリと音を立てて嫌な気持ちになった。不安な、不快な。
「ふふ。
ジュシアノールがね、わざわざ、よろしくとわたくしに頼まれたの。
彼はわたくしに会いに来られるのよ。
ふふ、
わたくしに、わざわざよ。
妹を頼みますって」
妹?
違う、とティアは思う。
どう言う事?
ジュノ様が、姫さまと話したかったと、
それはどう言う事?