月明かりに照らされて
香『貴方たちはいったいあの子の何を見ていたの?!』


声を荒げて言うが、俺たちはあいつのことを何も知らない。何か隠してるのは分かったが、あいつは何も言ってくれなかった。それも信じることができなかった理由の一つだ。


『香澄、落ち着いて!』


クラスのやつがなだめる。

そんな時教室のドアが開いた。


『お前らどうしたんだ?珍しく神楽の怒鳴り声も廊下まで聞こえてきたし。何かあったのか?』


そう言いながら入ってきたのは"高杉 直生(たかすぎ なお)"。この人はどこかの族の元幹部だったようでその威圧感は今でも健在だ。

だから俺たちも逆らうことはできない。
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