託宣が下りました。

「ああ。何事もなく」

 気のない返事。どうやら彼にとって楽しくない面会内容だったようです。

「……やはり、出立式のことだったのですか?」

 そう問うと、騎士は驚いたようにわたくしを見ました。

「どうして知っているんだ?」
「この院にも子どもたちの招請があったのです」

 ああなるほど、と騎士は頭をかきました。彼の眉間に、面白くもなさそうに力がこもります。

「目星はついているからさっさと行けということらしい。こちらも戦いに出るのはやぶさかじゃないんだが、しかしな――」

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