託宣が下りました。
「――いつでもあなたの好きに戻ってきてよいと、前から言っていたわね。でも、本当はあなたが戻ってくるとは思えなかったの。こんな恥をかかされてなお、真面目なあなたが――真面目だからこそ、戻れるとは思わなかった」
「………」
わたくしは体の前で重ねていた両手に、ぎゅっと力をこめました。
「そんなことはありません……。わたくしはずっと修道女に戻りたいと思っていました」
「戻りたいのは『修道女のような生き方に』でしょう。ここに戻ってくるのとは、意味が違うはずですよ」
「――アンナ様」
「あなたの迷いはとても尊いもの。胸を張ってよいのですよアルテナ。そういう生き方をしたいと願った自分のことを」