かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
誰かが私の頭を撫でている?
そんな感覚に薄っすら目を開けると、そこにいたのは瑞希さんで。
これは夢? うん、そうに決まっている。だってこんなところに瑞希さんが居るはずないのだから……。
頭を撫でていた手はしばらくするとスルッと下りてきて、私の頬を柔らかく包み込んだ。
「俺のせいだよな」
弱々しく話す声は、普段の瑞希さんからは想像できないほど。なんのことを言っているのかわからない私は、首を何度か横に振った。
「頼むから、なんでもひとりで抱え込まないでくれ……」
そう言ったかと思うと、触れている瑞希さんの手が頬をやわやわと撫ではじめる。その手が気持ちよくて、感触を楽しむようにゆっくりと目を閉じた。