かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
手紙には瑞希さんの嘘偽りない本当の気持ちが書かれていて、胸が詰まる。
彼が謝ることなんてなにひとつない。私から別れると言ったのだから、それは当然のこと。瑞希さんが仕事熱心なのも知っているし、言い訳をしているなんて思っていない。
瑞希さんがあのことで自分を責める必要なんて、これっぽちもないのだから……。
今思えば葉月があんなことを言ったのは、きっと俺に婚約者がいることを知ったからだと思うのだが、間違いないだろうか?
どこでその話を聞いたのかはわからないけれど、これだけは信じてもらいたい。そういう話があったことは本当だが、俺に婚約者はいない。いつもと同じ、噂の勝手なひとり歩きだ。
最初は可愛い妹ぐらいにしか思ってなかったのに、ある日突然俺の中で葉月が女に変わった。その日からずっと、葉月のことが好きでたまらない。
俺は今でも葉月のことを愛している。葉月のことしか考えられない。
葉月は葉月自身が思っているより、見た目も心もきれいで美しい。葉月の笑顔に俺はどれだけ心を癒されたことか。出来ることならこれからもずっと、俺の隣で笑っていてほしい──