かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
嬉しい……。
便箋三枚にびっしり書かれていたプロポーズともとれる手紙に、ここが人事部のフロアだというのに涙が溢れて止まらない。
私はどうしてもっと早く、彼に会わなかったのだろう……。
後悔に押しつぶされそうになりながら、でも今はそんなことを言ってる場合じゃないと手にこぶしを握る。
瑞希さんはこの手紙を、どんな気持ちで書いたのか。彼の誠実な気持ちには、ちゃんと誠実な答えを出したい。それには電話やメールではダメ、ちゃんと瑞希さんのめを真っすぐ見て自分の気持ちを伝えたい。
今日は週末の金曜日。幸いなことに仕事も順調に進んでいて、定時には上がれそうだ。
残りの仕事を手早く片づけると居ても立っても居られなくなって、定時を迎えた瞬間に取るものも取り敢えず、瑞希さんに会いに名古屋へ向かった。