かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
「誰に言われたかは詮索しない。そんなことを言われれば信用できなくなるのもわかる。だから謝る必要もない。でもだからといって、俺から離れることは絶対に許さない。俺の大切な人のことを、“私なんて”という言葉でさげすむのは、これっきりにしてほしい」
「瑞希さん、それって……」
私はこのまま、瑞希さんのそばにいてもいいってこと? 手紙に書いてあった言葉は、全部本当のことだと信じてもいい?
これって私の、自惚れなんかじゃないよね?
「瑞希さん、好きです」
私の言葉に、瑞希さんの瞳がわずかに揺れる。しばらくの沈黙のあと、彼が静かに口を開いた。
「俺も葉月が好きだ。愛してる。葉月のことも、お腹の子も俺が一生守りたい。いや、守らせてほしい。葉月、結婚しよう」
「け……こん?」
嘘でしょ? 突然のプロポーズに頭の中は真っ白で、なにも考えられない。
「子供ができたから責任を取るとか、そういうことじゃない。葉月のことが好きだから結婚したいんだ。子供は、そうだなぁ……」
そこで言葉を一旦切ると、瑞希さんは顎を触りながら何かを考え始める。子供がどうかしたのかと小首を傾げると、なにかがひらめいたように瑞希さんの表情がパッと明るくなった。