かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
「手紙を書くなんて、後にも先にもあれ一回きりだ」
照れているのか、瑞希さんのぶっきらぼうな言い草に胸の奥から温かいものがこみ上げた。
「だったら、一生大事にしないといけないですね。この子が大きくなったら、ママの宝物なのよって見せてあげます」
労わるように、お腹にそっと手を当てた。その日が来るのが、今から楽しみで仕方ない。
でも瑞希さんはゴロンとあお向けになると、天井を仰いだ。
「葉月。頼むから、それだけはやめてくれ」
「さあ、どうしましょう?」
そう言うとおどけた顔をしてみせて、瑞希さんの手に自分の手を絡める。繋いだ手にぎゅっと力を込めると、同じように握り返してくれた。
もう二度と、絶対にこの手を離さない。瑞希さんが好きで、ずっと一緒にいたい。
その気持ちが瑞希さんにも伝わったのか、心を確かめ合うように微笑むとどちらからともなく唇を重ねた。