かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
結局早く起きてしまった私は早々に準備も整ってしまい、約束の時間より早くアパートを出ると最寄りの駅近くにある全国展開している人気のカフェへ向かった。
もうすぐ初夏を迎えようとしている新緑の爽やかな風が、スカイブルーのシャーリングワンピースの裾を揺らす。
店に着くと最近お気に入りのソイラテをオーダー。それを受け取り、珍しく空いていたソファ席に座るとおもむろにスマホをタップする。遊佐部長にカフェにいることをメールすると、すぐに返事が戻ってきた
【わかった。俺が行くから、葉月はそこで待っていてくれ】
わかりましたと返信すると、遊佐部長から来たメールを読み返す。すると、葉月の文字で目が留まる。
遊佐部長は自然に私の名前を呼ぶけれど、まだ慣れない。こういうところが経験不足なんだと思う。でも今更一度も彼氏がいなかったという遍歴は変えられなくて、やっぱり慣れるしかないんだとため息まじりに項垂れた。
遊佐部長との約束の時間までは、まだ一時間ほどある。それまで時間を潰そうと、カバンの中にいつも入れてある小説を取り出した。