かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
「葉月は男性と付き合ったことがないと言ったよな? 前々から気になっていたけど、男性が苦手なのか?」
「そういうわけではないんですけど……」
「じゃあ、どういうわけがあって俺から離れようとするのか教えてくれないか?」
遊佐さんは真剣な眼差しで、私の心の中を覗き込むように見つめている。
本当のことを、正直に話していいのかどうか。
このまま何も言わないで済む雰囲気でもないし、ここで誤魔化したことを言っても遊佐さんのことだからきっと気づいてしまう。彼に嘘は通じない。
そんな確信にも似た思いが脳裏をかすめ、彼から目線を外すと小さく俯いた。
「自分に自信がありません。地味だし子供っぽいしかわいくないし。どうして遊佐さんが私なんかを好きになったのかも全然理解できないし、遊佐さんの隣には綺麗な女性がふさわしいと思います」
どれもこれも本当のことなのに、自分の言葉がグサグサ刺さって胸が痛い。本当はこんなこと言うつもりじゃなかったのに……。