かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
一連の滑らかな流れになにを言われているのか、なにをされているのかわからくなって言葉をなくす。
巨大な水槽の前のスペースは、綺麗な泳ぐ魚がよく見えるようになのか薄暗い。しかも座っているのは一番後ろで誰に見られているわけでもないのに、上がった身体の火照りがおさまらない。心臓は激しい鼓動を打ち、呼吸がわずかに乱れだす。
そんな私の変化が触れているところから伝わったのか、遊佐さんが落ち着けと言わんばかりに背中をそっと撫で始める。それだけで、少しずつ呼吸が正常に戻っていった。
「俺が──」
「え?」
突然遊佐さんの声が頭上から耳に落ちてくる。どういたのかと顔を上げようとして、それをそっと押し戻された。
「そのままで聞いてほしい。葉月は、どうして俺がおまえを好きになったのか理解できないと言ったよな?」
顔が遊佐さんの胸に正面から当たっていて言葉を発せない私は、そうだと言うように頷いてみせる。すると遊佐さんは、なにを思ったのかフフッと鼻で笑い始めた。