かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
実は金づちで、まったく泳げないけれど……。
「で、どうだった? ここは痛かったか?」
そう言って私の頬を突く遊佐さんの表情は穏やかな笑顔で、私の心の中までも和やかなものにしてくれる。
「はい、痛かったです。だから今ここに遊佐さんと私がいることは、間違いなく本当だということです」
「ああ、その通りだ。それで、さっきの告白の返事を聞かせてはくれないか?」
遊佐さんの瞳は熱っぽく、答えはひとつしか聞き入れないと期待に満ちている。もちろん私の返事は決まっていて、混じりけのない気持ちで遊佐さんを真っすぐに見つめた。
「こんな私ですが、よろしくお願いします。遊佐さんの彼女にしてください」
「こちらこそよろしく。どんな葉月だろうと、おまえじゃなきゃダメなんだ。だから、こんな私なんて言わなくていい」
私の子どもぽさも自信のない気持ちも、全部包んでくれるように抱きしめてくれる。遊佐さんの気持ちが、その腕の優しさが嬉しくて、なにもかもをゆだねるように彼に身を寄せた。