かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
駐車場でのキスのあとすぐに車を走らせた遊佐さんは、真っすぐ自宅マンションに向かった。
そこは都内でも有数な高級住宅地の一角にある、周りにある豪邸に引けを取らない三階建ての高級な低層ブランドマンション。高台の住宅地に佇む、凛とした気品と存在感を醸し出す白亜の邸宅だ。
車が近づくとゲートが自動で開き、遊佐さんはゆっくりと敷地内に入りエントランス前の車寄せに車を停めた。するとすぐにエントランスから、六十代と思しき男性が現れた。
遊佐さんは車から降りるとその男性となにやら会話をしてから、助手席のドアを開けた。
「着いたぞ」
緊張しながら、差し出された手に自分の手を重ねる。遊佐さんはなんの躊躇もなく私の手を握り、男性に会釈するとエントランスに入っていく。
「あの、あちらの方は?」
「ああ。彼は、ここに常駐しているコンシェルジュだ。車の移動とクリーニングサービスを頼んだ」
遊佐さんは当たり前のようにそう言うが、そんなことまでするのかと驚くしかない。さすがは高級ブランドマンションだと、感嘆のため息を漏らす。