かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
まだここに来て数分しか経ってない。それなのになんでお湯が張っているのだろうと不思議に思っていると、私をその場に降ろした遊佐さんがニヤリと笑って見せた。
「専用アプリがあれば、外から給湯器を操作して湯張りができるんだ。なかなか便利だろう?」
ああ、そういうこと……なんて納得している場合じゃない。
服が濡れているからバスルームに連れてこられたことはわかるけれど、一緒にバスルームまで入ることはない。
「遊佐さんが先に入ってください。部屋が濡れるといけないので、私は玄関で待たせてもらいます」
遊佐さんのことだから、私に先に入れと言うと思い先手を打つ。このままでは帰れないしお風呂はありがたく使わせてもらうけれど、さすがに家主より先に入るわけにはいかない。
くるりと踵を返し、バスルームを出る。でも一歩踏み出したところで腕を掴まれ、引き戻されてしまった。
「葉月をひとりで待たせる、そんなこと俺がさせると思うか? どうせ風呂に入るなら、このまま一緒に入ったほうが合理的だ。黙って俺の言うことを聞け」
遊佐さんはそう言って、私が着ているワンピースを脱がし始める。