かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる

「えぇ、ちょ、ちょっと待ってください。遊佐さん、服は自分で脱げます。いやいや、そういうことじゃなくてですね……」
 
 なにが起こっているのか、頭の中は突然のハプニングに追いつかない。遊佐さんになにをどう伝えたらいいのかわからなくなって、発言がちんぷんかんぷんだ。
 
 自分の身に降りかかっている危機的状況が全く理解できない。遊佐さんの手を止めることも自分の身を守ることもできなくて、遊佐さんにされるがままだ。
 
 気づけばあっという間にパンティだけがかろうじて残っている姿にされて、鏡に映った自分の姿に絶句。慌てて胸元を隠し、その場にしゃがみ込んだ。

「往生際が悪い。早く風呂に入るぞ」
「む、無理です。いきなり一緒にお風呂に入るなんて言われたら、往生際も悪くなります」
 
 私の言っていることは、どこかおかしいだろうか。いくら付き合うことになったからと言って一緒にお風呂に入るなんて、ハードルが高すぎる。しかもお風呂と言えば“裸”でしょ?


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