かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
そして、今に至る。
身体と髪を洗い終え湯船に浸かると遊佐さんも一緒に入ってきて、後ろから抱きしめられたのだ。
薄暗くてもお互い裸でこれだけ密着していれば、弥が上にも鼓動は速くなる。それを知られないようにと少しでも彼から離れようとして、その腰をがっちり掴まれた。
「離れるな。こうしてくっついていたほうが温かいだろう?」
お風呂のお湯は適温で、もちろん温かい。でも遊佐さんに抱きしめられていると温かいを通り越して熱い、いや熱すぎる。それに肌が触れ合っているところが気恥しいというか、やけにくすぐったい。
「ありがとうございます。でももう十分温まったので、放していただいても……」
「そうはいかない。葉月のことは、なにがあっても離さない」
遊佐さんは私の身体をくるりと反転させ立ち上がる。もちろん私も一緒に。
「な、なんですか!?」
薄暗いからと言って、なにも見えないわけじゃない。遊佐さんの目の前に裸体をさらけ出しあたふたしていると、「なにをしている?」とまたしても私の身体を抱き上げた。