かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
「背を向けるなんてそんな可愛いことをしても、無駄だということがわかったか? でも数時間前までことに及んでいたんだからな、身体もツラいだろう?」
瑞希さんはイジワルな声でそう言うと、抱きしめる腕の力を強める。わかっているのなら、最初から優しくしてくれればよかったのに。
でもだからといって、本当に優しくなかったわけじゃない。私を抱く腕も、まるでピアノを弾くように肌の上を滑らす指も、しっとりと柔らかく愛情を込めて抱いてくれた。
でも如何せん、その回数が優しくなかったのだ。
何度『もう無理』とお願いしても聞き入れてはもらえず、愛され続けた身体は悲鳴を上げた。数時間たった今でもその痛みは残っていて、寝返りを打つと身体がぎしぎしと軋む。
幾度もさせられたあられもない体勢を思い出して、一気に顔が熱を帯びた。初めての経験だったのに、私には刺激が強すぎた。
それなのに瑞希さんは、いつもとなにひとつ変わらない様子で。歳の差は一回りも違うのに、もうすでに元気を取り戻している。