かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
翌朝。浅い眠りから目覚めた私は、まだ起きるには早いけれど二度寝したら起きられないような気がして、ベッドに起き上がった。
土曜の朝よりは幾分マシだが、まだ身体のあちこちが痛い。もしかして運動不足? とも思ったけれど、なにしろ初めてのことで比べようがない。だから自分に、あれだけのことをされたら当然──と言い聞かせた。
ふと幾度となく取らされた思いもよらない淫らな体勢を思い出し、顔が熱さで火照りだす。世の中の愛し合っている男女はみんな、あんなことをしているのかと思うと……私にはまだ刺激が強すぎた。
バカなことを考えるのはほどほどにして、出社する準備を整える。いつもより早く出勤すると、フロアには誰もいなくてどうやら一番乗りみたいだ。
残業でひとりになることはあったけれど出社一番乗りは初めてで、意味もなくワクワクしてしまう。デスクに荷物を置き、窓際に移動して十二階からの景色を見下ろした。