かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
瑞希さんと私は、直属の上司と部下の関係。仕事のことで顔を合わせるのは当然のことだし、なにかあればすぐに呼びだされる。昨日のことがあったからといって、嫌だ、できませんでは許されない。
瑞希さんがどのくらい名古屋にいるのかはわからないけれど、顔を合わす時間が長ければ長いほど、お互いに気持ちの整理もつくというもの。
私と瑞希さんの間にはなにもなかった。元の上司と部下の関係に戻るだけ……。
そう自分に言い聞かせ、ため息ひとつついてデスクに戻った。
「葉月。今日のお昼、一緒にどう? いろいろあった話、聞かせてもらおうじゃないの?」
椅子に座ったままスーッと近づいてきた杏奈は、ニヤリと意味深な笑みを浮かべた。
彼女はとても勘が鋭い。瑞希さんとのことはなにも話してないけれど、もしかしたら感づいている?
どちらにしても杏奈には話を聞いてもらいたいと思っていた私は、一緒にランチをすることをすぐに了承。少しでも長く時間が取れるように、仕事に専念した。