幸せの探し方
これ、美味しそう!

グレイビーソースがかかっているフライドポテトが視界に入ったため、それを取るためにトングに手を伸ばした時だった。

「あっ」

節くれ立っているその手にぶつかってしまい、わたしと相手は同時に声をあげた。

「す、すみません!」

慌てて手を引っ込めると相手に謝った。

「いえ、こちらこそ」

あっ…この人、かっこいい…。

謝り返してきた相手に、わたしはそんなことを思った。

黒髪に二重のぱっちりとした目に小さな鼻に薄めの唇、ストライプの模様が入ったグレーのスーツがよく似合っていた。

身長は少なく見ても180センチくらいだろう。

端正な顔立ちにモデルのようなスラッとしたその体型に見とれてしまっていたら、
「あの、何か?」
と、彼が首を傾げて聞いてきた。
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