幸せの探し方
料理をいくつか取ると、わたしと彼はテラス席へと向かった。

テーブルに料理を取ったばかりの皿とスパークリングワインのグラスを置くと、椅子に腰を下ろした。

「まずは名前と年齢は?」

彼が聞いてきたので、
「来生蜜柑です、29歳です」
と、わたしは名乗った。

「門谷義隆(カドヤヨシタカ)、33歳です」

彼ーー門谷さんが言った。

「ご職業は?」

門谷さんが聞いてきた。

「建設会社の社長をしています」

わたしが言ったら、
「えっ、社長さんだったんですか?

道理で立ち振舞が美しいと思いました」

門谷さんは少し驚いたように言った。

「そ、そうでしょうか…」

そんなことを言われたのはまた初めてだった。

「まあ、社長に就任したのはつい最近のことなんですけどね…」

わたしはアハハ…と笑った。
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