幸せの探し方
「躰の相性がよかったら何度かおつきあいをして…」

「すみません」

手を前に出してストップをかけたのと同時に顔を遠ざけた。

「それってつまり、“セフレになりませんか?”と言うお誘いですか?」

そう聞いたわたしに、
「そのつもりで聞きましたけど」

門谷さんは特に悪びれた様子もなくニッコリと笑った。

「お断りします」

わたしは言い返した。

「わたしはセフレじゃなくて彼氏を、もう少し言うならば夫が欲しいんです。

セフレが欲しいんでしたら他を当たってもらえませんか?」

「それは困りますねえ」

「何がですか?

そんな理由でパーティーに参加したのでしたらやめた方がいいと思いますよ?

まじめに結婚を考えている人たちの迷惑です」

もしかしてわたしに声をかけたのはその理由だったのか?
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