幸せの探し方
「すみません、お手洗いの方に行ってきてもよろしいでしょうか?」

「はい、どうぞ。

場所のご案内の方は…」

「覚えていますので大丈夫です」

「そうですか、どうぞ」

高天原さんが部屋を出て行ったので、ここにいるのはわたしと門谷さんの2人だけになった。

「またお会いしましたね」

高天原さんがいなくなったとたん、門谷さんが話しかけてきた。

「わたしは会いたくなかったですけどね」

ジロリと門谷さんをにらみつけると、わたしは言い返した。

「もう関わってしまっている以上、避けるのは無理だと思いますよ」

「あなたがこなければいいだけの話じゃないですか?」

わたしがそう言い返したら、
「俺は高天原の秘書なので、どこまでも彼についていきますよ」
と、門谷さんはさらに言い返した。
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