幸せの探し方
すっかり日も暮れて、わたしと門谷さんは待ちあわせていた銀時計の前にいた。

銀時計は8時を少し過ぎていた。

「今日は1日、ありがとうございました」

門谷さんは小さくペコリと頭を下げた。

「わざわざ送っていただかなくてもよかったのに…」

わたしがそう言ったら、
「誘ったのは俺ですから」
と、門谷さんは言い返した。

「それじゃあ、また仕事で」

わたしがそう言って立ち去ろうとしたら、
「ーーッ…」

門谷さんに腕をつかまれた。

「門谷さん…?」

何かあるのだろうか?

まさか、このままホテルに連れ込もうって…!?

逃げなきゃヤバいと思って手を振り払おうとしたら、
「今日1日、あなたと一緒にいてわかったことがあります」
と、門谷さんは言った。
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