幸せの探し方
「この間なんか陽葵ちゃんの結婚報告も聞いたし」

「陽葵ちゃんって…」

「佃さん、小説家の佃さん」

「結婚したんや…」

同級生たちの間で“恋多き女”と言われた彼女が結婚したのが意外で仕方がないと言う様子だ。

「亡くなった父親も家族を持ちなさいって、いつも言っていたし」

「ああ…」

「だから婚活を始めようって、ここ数年は家と会社で忙しくて何もできなかったから」

正直なことを言うと、最後に彼氏ができたのはいつなのかもう覚えていないほどである。

数年前から同級生たちから結婚報告を聞くようになったし、最近では子供が生まれたと言う報告も聞くようになった。

わたしももうすぐで30歳、婚活を始めようと思い立ったのである。

「ええ思うで、頑張ってや」

そう言った宇大くんに、
「うん、ありがとう」

わたしは返事をした。
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