幸せの探し方
「つきましたよ」

高天原さんは車を降りると、助手席にいるわたしのところへ行った。

彼が車のドアを開けたことを確認すると、わたしは車を降りた。

車が到着したところは、数年前に開業した複合商業施設だった。

開業した当時は話題を呼んで、機会があれば行ってみたいと思っていたっけ。

「少し歩きましょうか?」

そのことを振り返っていたら高天原さんに声をかけられたので、わたしは返事をした。

彼と肩を並べて駐車場を後にすると、施設の中を歩いた。

夏休みだからなのか、多くの人でにぎわっているような気がした。

「あっ、すごい!」

わたしの視界に入ったのは、
「エコカーテン、壁面風車ですか?」

高天原さんがそれを指差しながら言った。

「はい」

風でクルクルと回っているエコカーテンはライトアップがされていて、とてもキレイだった。
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