幸せの探し方
「元妻は子供が嫌いな人で、僕はそのことを知らなかったんです。

機会を与えられなかったと言った方が正しいかも知れません。

僕が結婚当初から…つきあっていた当時から子供のことをよく話していたせいか、元妻は本当は子供が嫌いだと言うことを打ち明けられなかったみたいで」

「高天原さん」

悲しそうな顔をしている彼をこれ以上見るのが嫌で、思わず名前を呼んだ。

高天原さんがわたしを見つめる。

「昔のことを話しているあなたの顔がとても悲しそうでさえぎるようなまねをして、その…」

「僕の方こそ、こんな話をして申し訳なかったと思ってます。

突然こんな話をされて、来生さんも困りましたよね?」

「困ったなんて、そんな…」

その後に続く言葉が見当たらなくて、わたしは口を閉じた。
< 72 / 100 >

この作品をシェア

pagetop