幸せの探し方
行きと同じように手を繋いで、駐車場へと一緒に足を向かわせた。

不思議だ。

行きの時は手を繋がれたことに驚いて、どうすればいいのかわからなくて戸惑っていた。

だけど、今はどうだろうか?

驚きも戸惑いもなくなって…それどころか、彼と手を離すのが嫌だと思っている。

キスされたせいだからだろうか?

それとも、高天原さんの過去を聞いたからだろうか?

いや、それとも…一緒に食事をして、デートみたいなことをしたから…って、いろいろと考え始めたらキリがない。

ただ言えることは、キスされたのも手を繋がれたのも嫌じゃないと言うことである。

駐車場に到着して高天原さんの車が見えてきた。

「どうぞ」

助手席のドアを開けて促してきた高天原さんにお礼を言うと、そこに腰を下ろした。
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